転職コンサルタント細井智彦氏によるコラム

WEB面接のハンディキャップとリカバー方法ついて 前編

WEB面接に切り替えたら、辞退が増えた、という声を聞きます。今回はWEB面接の導入にあたって、意識しなければならないポイントと対応策について書きました。 

面接がWEBになることで生じる懸念や課題は大きくわけて2つあります。 

  1. 通信環境のトラブル不安 
  2. 雰囲気や手応えといった非言語情報の不足や誤解 

まず通信環境のトラブル不安について。 

いま、WEBミーティングアプリに繋がらないということはほぼありません。 

しかし、途中で声が途切れる、スライドや画面がフリーズするということは、 

少なくはなりましたがまだ起こることがあります。 

それと、隣あわせで実施する場合に起こりがちで注意しなければならないのが、 

ヘッドセットを使わずにやると隣の人のPCのスピーカーから出る自分の声を 

マイクが拾ってしまい、声が反響しエコーがかかったようになってしまう現象です。 

あと、実はこういったことが実際に起こったときよりも、 

起こったときのことを考えて生まれる不安のほうが意外と大きなストレスになります。 

他に、場所についても 

PCのマイクは意外に性能が高く、小さな音も拾うので、 

オフィスのなかでもにぎやかな場所や、 

店舗などでBGMが流れているときは注意が必要です。 

ただ、まだフリーズなどの現象をゼロにすることは難しいと思いますが、 

ここは割り切って臨むことも必要です。 

もしフリーズしたら、言い直す、聞き直すことでリカバーできますし、 

万が一シャットダウンしても電話で続けるか、別途改めるかすることもできます。 

それに、図らずもトラブル自体がサプライズとなり、 

候補者との距離が近づき素の部分が見えることもあるのではないでしょうか。 

私自身もセミナー中にフリーズしたことは何度か経験しましたが 

なんとか乗り越えられたときは、順調なときよりも 

先方の人事の方と達成感や一体感を感じます。 

雨降って地固まるということわざもあります。 

不安があると面倒になるものですが、なんとかなる、という気持ちで 

実際なんとかなるものです。 

もし、未だに不安な方がいたら、 

ぜひ積極的にWEB面接を導入してみましょう。 

以下に実施環境を整える際のコツを記しておきます。 

WEB面接 環境面での準備のコツ 

場所 

できるだけ静かな場所を確保する。もし複数で臨む際に隣り合わせの場合はヘッドセットを使う。 

照明 

基本は天井照明で大丈夫。ただ天井照明の位置が真上や後方で、顔に当たる照明が少なく陰影がでたり暗がりになる場合は、PC(カメラ)の後ろからリングライトやスタンド照明などで明かりを補充する。色温度は高い(白い)ほうがお勧め。 

カメラの位置 

できれば目の位置よりカメラが若干高いか正対するよう高さにPCをセット。あまりにカメラが下からだと、上から下を見下ろすように映るので要注意。PCの画面の光線による眼鏡の反射にも注意する。 

背景 

できるだけシンプルな背景の場所を選ぶ。バーチャル背景を使用する際はリゾート地のようなものよりもオフィスや書斎にする。 

音声 

PC側のマイク出力レベルをチェックしておく。最大だと音が割れることもある。相手の聞こえる音声が小さいときはPCの出力レベルとヘッドセットやイヤホンを使用するならイヤホン側にボリュームがある場合そこもチェック。 

その他留意点 

ボールペンのカチカチ、ペーパーをめくる音、キーボードのタッチ音に注意 

実施中は画面だけではなく、ときどきカメラも意識して見る。 

必ず事前に繋ぎ通話してみて、映りや音声の状況をチェックしておきましょう。 

次回は、雰囲気や手応えといった非言語情報の不足や誤解にはどんなものがあり、どんなことをすればよいかを書きます。