WEB面接のハンディキャップとリカバー方法について 後編vol.1
WEB面接での2つの課題
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1:通信環境のトラブル不安
2:雰囲気や手応えといった非言語情報の不足や誤解
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今回は2の雰囲気や手応えといった非言語情報の不足をどうするか、についてです。
ちょっと長くなりましたが、よかったら参考にしてください。
思い切って面接のデフォルトをWEBだととらえてみる。
コロナ禍が長期化したいま、WEB面接やリモートワークは、導入しているところはほぼ一巡したのではないでしょうか。私のところでも昨年夏ごろは、これからWEB面接をやろうと思っているけど、どうすればよいのか、的なご要望が多かったのですが、いまではほとんどがWEB面接を導入したうえでの課題やこれでいいのか、というもっといい方法がないかを模索したい、という流れになりました。つまりWEB面接はあくまでもリアルの代替手段という認識から、新しいデフォルトとしてとらえている企業が増えつつあるように思います。
WEB面接のほうがよい、という企業もでてきている。
実際にWEB面接の導入後、次のようなメリットを感じている企業も少なくありません。
- 圧が少なくカジュアルな「面談」の雰囲気を作りやすい。
・リファラル採用や活動初期の段階の候補者へのアプローチに活用できる。
・候補者側も無理なアイコンタクトなどを意識しないで済むので却って話しやすいと思っている人も多い - 自分も含めて同時に全員の顔を見ながら実施できる
- これからのリモートワーク化への適性を把握できる
特にIT系のエンジニアの採用場面では、お互いにWEBのほうが話しやすいという声はよく聞きます。コロナが沈静化したあともWEB面接やリモートワークを続ける会社も多いと思います。ということで、今回はすでに導入しているという前提で、対処方法について考えてみようと思います。
非言語情報の不足による主な影響
あらためて、になりますが面接がWEB化することで生じる影響について整理しておきましょう。
- 双方のリアクションの薄さによるやりにくさやコミュニケーション不安が生じやすい
- 候補者の佇まい、しぐさなどの非言語情報が得にくい
- 候補者の手応えを感じにくい
- 面接側の手応え、会社や職場の雰囲気情報が伝わりにくい
まとめると、採用側も候補者も双方ともに、見た目や佇まいといった判断材料の不足と、話していて相手がどこまで受け容れてくれているのか、手応えが感じにくいということです。
さて、ではお互いの非言語情報不足を補完しあうにはどうすればよいのでしょうか。箇条書きにしてみました。
- 冒頭に必ずアイスブレークを入れる
・雑談を兼ねて通信状況の安定を確認してスタート - 受容と共感による共有型対話をこころがける
・応募書類を手元に置いて見ながら話すことを認める
・相手にわかるように意識してうなずく
・復唱や確認、言葉であいづちを挟む
「◯◯だったわけですね。大変でしたね」
- 聞き取りやすいようにゆっくりめに話す
- いい問いかけを投げる
・共感しながら、できるだけ客観的で具体的な行動エピソードを聞く - 候補者からの質問の時間を多めにとり質問例を伝えハードルを下げる
・「職場の雰囲気とか残業の状況とかなんでも聞いてくださいね」 - 言葉や画像(現物)で雰囲気や魅力を伝えられるツールを予め用意しておく
1のアイスブレークはリアル面接ではあまり無理な雑談はかえってぎこちなくなるのでお勧めしないのですが、WEBの場合は第一印象がお互いわかりにくいので、まず環境確認を兼ねたアイスブレークを入れることをお勧めします。以下は対話例です。
- 導入
- 「○○さんの画像も音声も良好です。私の声は聞こえていますか?」
- 「こういったWEB面接は慣れておられるのですか?」
- 声が小さいときは
- 「パソコンのマイクの設定はどうなっていますか?」
- 「どなたか近くにおられたりしますか?」
- 顔がよく見えないときは
- 「ちょっと照明が暗いようですが、どんなところからですか?」
- 「パソコンからですか? ちょっとカメラの位置が低いようですが、ちょっとカメラを目の前にしてもらえますか? とても印象がよくなりました。」
- 共感できる共通項の開示 安心感の提供
- 「実は私もまだWEB面接は慣れていないのです。」
- 「応募書類を見ながらお話しいただいてOKです。」
- 通信トラブルに備えてのリスクマネジメント
- 「もしものときは携帯電話でやりとりできるようにしましょう」
6の言葉や画像(現物)で雰囲気や魅力といったイメージ情報を強化するための施策を候補者、面接側両方の立場でできることについてまとめてみました。
候補者側
- 事前に自分らしさを示せるものを用意して臨んでもらう
- ボードや資料を見せながらのプレゼン型自己紹介を認める
- 自分の写真や動画を見ながらのキャリア説明を認める
企業側
- バーチャルツアー 会社や職場の様子を映す
- 手掛けている成果物やプロダクトを見せる
- 配属予定部門のメンバーを登場させ、コメントさせる